BMW325(A25) タイミングベルト切れによるシリンダーヘッドオーバーホール

昨年7月の整備暦ですが、レポートします。

友人の保有するBMW325昭和63年登録、走行は多く22万キロ。過去に数回?タイミングベルトを交換しているが、記録が定かでなく、つい整備を怠ったためにベルトを切らしてしまった。

40kmhで走行中、いきなりのエンジン停止で「ボソッ」と言う音がし、再始動が不可能、クランキングが何時もと違うようだとの連絡が入った。積載車で引き取りに行くと案の定ベルト切れのようでセルが軽く回る。何度か交換した記憶があるがあいまいで最近のような気がしていたが整備履歴を見てもここ3~4年は記録に無い。悔やまれるが距離も相当走っているのでバルブ等のメンテも兼ねるのでヘッドのオーバーホールすることになった。

このエンジンはSOHCの6気筒12バルブEFIでシンプルな構造である。整備もボンネットを外してしまえば作業はやりやすい。補機類を取り外しシリンダーヘッドを脱着してみると排気側のバルブが大きく曲がり、ロッカーアームも何個か割れていた。ピストンの頭にも少しバルブが当たった傷がついていたがピストンには異常が無さそうだ。ベルトは切れたのではなく20センチほど歯が欠けていた。
さっそく部品の手配をするがバルブやヘッドガスケットキット、ウォーターポンプ、ヘッドボルトなど皆価格が高いのに驚く!

一応エンジン屋にバルブガイドの点検やシリンダーヘッドの状態を見てもらうため外注する。走行の割には腐食が少なく特に問題は無いとの事。

バルブは12本とも交換した。
ピストンヘッドのカーボンやパッキン類を取り除き組み付け作業に入った。
ヘッドを載せるときガスケットを傷つけないよう注意し、上からロープで吊るし作業を行った。ヘッドボルトは再使用禁止で塑性域で締め付けるタイプだ。念入りに均等に締める。補機類を元通りに組み付け、LLC、エンジンオイルを補給しセルを回すと一発で始動した。バルブ隙間は冷間時のデータになっており、うまく合っているようだ。エンジン音も調子良さそうだ。
このエンジンは冷却水のエヤー抜けが悪く、よく見ておかないと後でオーバーヒートするので注意が必要。
テスト走行も結果は上々で満足できる作業となった。

この車もオペルと同じでタイミングベルトは6万キロまてで交換する必要がある。ウォーターポンプはファンベルトで駆動するタイプでこの車もよく壊れる。